2014年5月2日金曜日

中部横断道自動車道の亀裂の原因(2)

前の記事からの続き:


実はこの強引さは、すでに開通している区間でも見え隠れしている。例えば、佐久北IC周辺の区間は最終処分場(旧第二御影最終処分場)の上に立っているのだが、本来、最終処分場の廃止は『処分場の閉鎖から数年間(たぶん2年以上)、地下水などを通じた汚染物質漏れがないことが確認できて初めて可能』となることが法律で決まっている。ところが、政府は、この処分場の稼働中にゴミごと土地を買収し、処分場の廃止をせぬまま間髪入れずにその上に高速道路を建設してしまったのだ(これは「極めて異例」と報道された)。
「最終処分場」の状態のまま、高速道路が建設された地点。
佐久北IC出口の看板が見える。
この最終処分場にはありとあらゆる産業廃棄物が埋め立てられていて、その汚染たるや目も当てられないレベルだ。そのうえ、どうやら汚染物質が地下水に溶け込んで周辺の河川に流れ込んでいるらしいのだ。この状態が続く限り、高速が建っているこの場所は、法律に基づけばまだ「処分場」のままなのだ(高速道路の構造物は廃棄物扱い?)。

さらに恐ろしい事態になっていることが、現地にいくと確認できる。廃棄物が埋めてあるだけの土地に、重たい高速道路を建設したため、地盤沈下が起きているのだ。そのため、高速道路の構造物は歪んでしまい、あちこちに亀裂が入っている。ひどいところは、コンクリート壁がはげ落ちそうになっているのを、薄い鉄板で継ぎ合わせるように応急処置がしてある。(あたかもバンドエイドで、ずれ落ちそうなカツラを止めてあるような、そんな感じだ。)

高速道路の基礎の部分。
亀裂が縦に入り、バンドエイドのような鉄板で補強しようしてしている。
重り(白い丸いもの)がつり下げてあって、壁の傾き程度を定期的に測定しているらしい。
測定なぞしなくても、写真の右方向に、かなり傾いているのがわかる。

上の写真の拡大:高速を管轄する国土交通省の命令なのか、
コンクリの傾きを測定するための重り(右下の白いもの)が吊り下げてある。
コンクリートにはひび割れが確認できる。
写真に撮った構造物部分は、てっきり高速道路として作られたものかと思っていたが、実は最終処分場の囲いに過ぎないらしい。つまり作ったのは国や高速道路会社でなく、地元の廃棄物処理業者(民間業者)で、その上に道路が置かれているだけの構造のようだ。高速道路の基礎という、構造上非常に大切な部分にもかかわらず、国やNexcoがこんな木に竹を継いだような幼稚な補修をしているのはおかしい、と思ったのだが、建設技術に疎い、一民間廃棄物処理業者が補修を担当していると知れば、合点が行く。

別の場所で見つけたコンクリート壁面のひび割れ。
どうやら高速を管理する人たちは、ここに割れ目が
あってだんだん広がって来ていることを知っているようだ。
No.3とあるので、これ以外にもひび割れ箇所はあるということだろう。
この処分場の亀裂が意味するのは2つ。(1)高速道路が壊れかけている(2)処分場から毒物/廃棄物が漏れ出している。どちらも非常に深刻な事態だ。

さらに驚いたのは、この廃棄物処理業者とはイーステージ、つまり現在のフジ・コーポレーションだったことだ。以前の記事で書いたが、フジ・コーポレーションとは、福島原発の事故により放射性セシウムなどで強く汚染された関東地方から、8000Bq/kgまでの放射能汚染された焼却灰を、大量に佐久平にもってきて埋めた会社だ。

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