2013年9月8日日曜日

ファインマンの言葉。

PR活動とか、PRするとかよく言うが、これはPublic Relationsの略語。「多くの人に自分をいかによく見せるか」ということ、つまり広告、宣伝、イメージ戦略などなどのこと。

オリンピック開催都市を決定するに当たっては、まさにこの「PR」がものをいう。審査する人は学者でも専門家でもなんでもない、しかも常識をもった一般人ともかけ離れた、ただの大金持や貴族、王族の人だから、理にかなった真実なんかよりも、小学生でもわかるようなPRの方を重視する。つまり、印象をよくしさえすればかなりの票を投票してもらえるのではないか?逆に、ライバルの候補地を陥れようとするならば、悪い噂を流してやればいい。知性とはほど遠い、お猿レベルの争いなのかもしれない。

アメリカの物理学者リチャード•ファインマンが、スペースシャトル事故の調査委員会に提出した報告書に書いた言葉を噛み締めなくてはいけいないだろう。
For a successful technology, reality must take precedence over public relations, for nature cannot be fooled.
つまり、「真理真実を隠し、(上っ面だけの)PR活動ばかりに執心するならば、後で深ーい後悔に苛まれることを覚悟しなくてはならない。それは、人間が『自然(=宇宙)』を騙すことなんて到底できないからだ」というような意味だ。

長野のオリンピックが、いかに自然を壊し、いかに人間の浅ましい金銭欲を浮かび上がらせたか。結局、高レベルの放射能廃棄物(焼却灰など)が佐久平に運び込まれて捨てられることになったのも、オリンピックのためにつくった高速道路のせいだ。(また、日本橋の景観が台無しになったもオリンピックのせいだし、ボロボロの首都高が改修不能なのもオリンピックに合わせてあわててつくったからだ。)自然を壊して、ほんの一部の人間だけが巨額の利益を貪る。私には、オリンピックの姿がこういう風にしか見えない。

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