2012年9月12日水曜日

甲状腺ガン、ついに出る:最初の犠牲者は福島の子供

NHKの報道で、福島の子供に甲状腺ガンが、ついに見つかったことを知った。

チェルノブイリのときも、「原発との因果関係は見られない」と最初の5年は言っていた旧ソ連(現在のロシア)政府も、10年後には因果関係を認めた。30年近く経過した現在でも、その影響は猛威をふるっている。

チェルノブイリのときは最初の3年間は問題なく過ぎた。4年目から甲状腺ガンが急増し、5年目に問題となったが、上述したように、このときは政府も(お抱え)科学者も否定した。

福島での最初の患者は、事故から1年半しか経っていない。これからの統計に注意する必要はあるが、チェルノブイリより随分早いような気がする。むろん、今のところ統計的には因果関係は出せないだろうが、これが悲劇の始まりである可能性も高いと思う(チェルノブイリの例があるだけに)。噂されているように、福島の場合、放出されたヨウ素131の量と濃度はかなり大きかったのかもしれない。セシウムと違って南方に流れたといわれるので、最初の患者がいわき市の方面の子供ならば、因果関係を真剣に疑う必要はあろう。詳しい情報が知りたいものだ。

(追記:チェルノブイリにおける事故後の健康診断に使われた装置や機器は、現在のそれに比べれば相当性能が劣っていたはず。チェルノブイリで癌が発症したかどうかの診断は、病状がかなり進んで触診でわかる程度にまで悪化してからにちがいない。だとすると、今回福島で見つかった子供の癌は相当小さかったらしいし、組織検査を通して癌であることがやっと判明したことを考えれば、仮にこの子供を未処置のまま放置しておけば、きっとちょうど3年目ぐらいに触診で引っかかる程度の癌に成長することだろう。つまり、この時期に精密検査/組織検査で発ガンが認められたということは、けっしてチェルノブイリと比べて早すぎるということにはならないだろう。公式/マニュアルだけを単純に当てはめて、3年経つまでは原発による癌は発症しないと短絡的に結論づけてしまうのはよくない。知的な思考訓練が不足している医者/科学者の言葉には注意すべき。)

甲状腺癌は、ガス状のヨウ素131のプルームを吸引したのが原因となる。また、事故直後の水道や牛乳等の汚染も原因となりうるだろう。一方、セシウム137、134の方は、吸引や飲み水のみならず、半減期が長いため、いまだに私たちの周りに存在し続け、現在進行形で起きている食品汚染を引き起こしている。それは、これから起きるであろう大規模な健康障害の主原因となる可能性がある。放射性セシウムは、心筋梗塞や膀胱癌、原因不明の体調不良や鼻血などをひき起こすと言われる。セシウムの影響が見えてくるまでに、チェルノブイリでも10年単位の時間がかかった。しかし、今の調子で、福島、宮城、岩手といった東北の汚染地帯のみならず、栃木、茨城、群馬、千葉といった関東の汚染地帯やホットスポットでの農作物、魚介類を国民に食べさせ続けるならば、もっと早く、そしてもっと大規模に被害者が現れる可能性は高いだろう。

原発事故の本当の怖さが、ついに始まったのだろうか?

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