2012年6月4日月曜日

まさかの「地形説」:東京のセシウム汚染の分布


豪徳寺、そして代々木公園のセシウムによる土壌汚染の結果をまとめた時、まさかの「地形説」を提唱した。その記事へのコメントに、TheNextWhiskeyBar さんからの情報が寄せられ、google mapの断面図を計算してくれるWeb pageを教えてもらった。このツールを使うと、東京の地形の高低が非常によくわかるので、放射能汚染の高低と関連があるか調べることができる。そこで、まずはベンチマークとして、東大(駒場)を選んだ。

駒場は平らだと思っていたが、昔の駒場寮があった辺りから一二郎池にかけてぐっと下る。この様子を見てみると、次のような結果となる。
駒場の断面図
上空から見た「切り口」地点は、次の図に示したように4点を選んだ。その端点として、一二郎池と野球場を選び、そこで土壌を採取した。野球場の向こうは駒場公園。前田家の屋敷跡があり、よく映画の撮影ロケに選ばれる(漱石の小説を映画化した松田優作主演の「それから」とか、最近では息子の松田翔太が主演した「ライアーゲーム」など)。この公園は東大の一二郎池に比べて約10m標高が高い。東大の野球場の標高もほぼ同じ。

断面図の切り口を上空より見た図。緑の線が銀杏並木に相当。
野球場と一二郎池は一キロ弱、高低差は約10m。まさかこんな微地形が原因で、250キロ先の福島第一原発からはるばる飛んで来た放射性セシウムの分布に違いがでるなんて、普通では考えられない。もしあるとするならば、経年によるセシウムの再循環、つまり水で流されたり、風で飛ばされたりして分布が移動し、濃縮されたり希釈されたりすることだ。だとすると、標高の低い一二郎池にセシウムが流れ込んで、標高が低い方が汚染が高くなるような気がする。

これらの測定ポイントでは線量も測定した。DoseRAE2とJB4020の結果は一致していて、どちらも0.11-0.12μSv/hだ。(ただし、野球場の近くではときおり0.15μSv/hあたりまで揺らいだりもしたが、しばらく置くと0.12に落ち着いた。)この数字だけを見れば両者に差はない。

さて、2つのポイントの土壌をベクミルで測定した結果を見てみよう。(ちなみに、この測定は柏で行った。)

東大(駒場)の土壌の測定結果
左が野球場近く、右が一二郎池の畔で採集したもの。
同じ東大(駒場)の敷地内なのに、大きな差が出た。汚染がひどいのは、標高の高い野球場だった。雨などによって標高の低い所に流れ込むというシナリオは、どうもここでは成り立っていないようだ。標高の高い野球場近くの汚染は、だいたい代々木公園と同じ程度だ。一方、一二郎池は皇居周辺と同じくらい。代々木公園は高台にあって、皇居は意外にも谷間にある。つまり、この結果だけみると首尾一貫して、東京の丘はレベルB(1000Bq/kg)以上の汚染で、谷はレベルC(300Bq/kg)以下の汚染になっているように見える。

結論を出すには、もう少し測定場所を増やして統計を増やさないといけないだろう。

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