2012年4月29日日曜日

連休の天体観測:半月ちょっと前の月面

直焦点および拡大撮影の練習台として月面を選んだ。この練習を通して、いろいろなテクニックを身につけたり、確認することが出来た。(ありがとう、お月様。)

まずは、コリメート撮影したもの。さすがによく写るし、ピントも合わせやすい。

コリメート撮影。iso300, 1/800sec
今回はピント合わせにこだわってみた。ピントはやっぱりこだわればこだわっただけいい写真がとれる。

クレーターは1:ヒッパルコス、 2:エウドクソス、3:アリストテレス。

ヒッパルコスは星図を系統的に作った最初のギリシア哲学者。新星を発見して、「コスモス」といえども変化する事を発見し、また惑星の運動(とくに逆行)を離心円と周点円で説明出来る事も最初に示した。プトレマイオスのアルマゲストに出ている観測データのほとんどはヒッパルコスの観測によるもの。

エウドクソスとアリストテレスが並んであるとは面白い。両者とも地球中心説(つまり天動説)だが、プトレマイオスと違って三次元の天球殻の重ね合わせのモデルを想定した。最初にこのアイデアを出して、数学的にも定式化したのはエウドクソス。彼は、このモデルは単に数学的な便宜上のものであり、真の宇宙の姿だとは思わなかった。この真摯な態度が尊敬できる。

一方、アリストテレスは、エウドクソスの天球殻モデルをパクっただけ。若干の修正はしたらしいが。まずいのは、宇宙の真実の姿もこのモデルのようになっていると述べた所。あまりにも複雑なこの数学模型が現実の宇宙の姿になっているなんて、よくもまあ....でも、権威となって、その後の1000年以上のヨーロッパの思想を縛ったのは、アリストテレスの方。エウドクソスは、2人の師匠のプラトンより数学(幾何学)ができたらしく、妬まれたらしい。出世するにあはアリストテレス程度の頭脳で停めておくべきなのかもしれない。原子力ムラも同じか?

「ヒッパルコス」を拡大してみた。
光と影の境界にあるヒッパルコス
今日はピントがよくあっていて嬉しい。クレーターの中央部分の盛り上がりの構造なんかも見えている。右側の海の部分はバッカス。

次は、アリストテレスとエウドクソス付近、つまり晴れの海のあたりの拡大図。

晴れの海と、エウドクソスとアリストテレスのクレーター
晴れの海の真ん中に光条線が見える。その上に小さなクレーターが2つ乗っているが、海の縁ではなく、中にあるのがベッセル!ベッセル級数はもちろん、最初に年周視差によって恒星が有限距離にあることを示した。これで地動説が確定的となった。

次は直焦点で取ったもの。よくピントを合わせたつまりだが、やっぱり直焦点はピントが甘くなる。拡大するとベッセルがぼやけてしまって、見る事ができない。
直焦点。iso100, 1sec.
直焦点は、シャッターを切るときに、ミラーの開閉によって望遠鏡が揺れてしまう。つまり、ピンぼけになりやすい。そこで、ピンぼけを避けるために、ちょっとした工夫をする必要がある。まず対物レンズに蓋をしておき、バルブにしてシャッターを開け放す。直後に蓋を手で開けて、ちらっと月の光をカメラに「流し込む」。あまりゆっくり蓋の開け閉めをやっていると、光量オーバーで真っ白になってしまうので、これが案外難しい。

最後に、拡大撮影をしたもの。この撮影では、初めてビデオ撮影を試みた。Canon EOSはビデオも撮影できるのである!拡大率が大きいため、ピントを合わせるだけで画面は大きくぶれる。が、手を離してしばらく放っておくと、だんだん揺れが収まってくる。ピント合わせがうまくいったかどうかは、揺れが収まってからでないと確認できないので、このピント合わせは異様に難しい。



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