2012年4月13日金曜日

関西の土壌のγ線スペクトル

春休みに関西方面に帰郷した学生たちに頼んでおいた関西方面の土壌がようやく手に入った。セシウム汚染の研究をするならば、「汚染されてない土壌」というものがどういうものかしっかり見ておく必要がある。名古屋も信州も今ひとつ確信をもって「汚染無し」と言えなかった(軽微とは言えるが)ので、京都、大阪、兵庫の土壌サンプルはとても貴重だ。

手に入ったのは、京都の清水寺山門近くの植え込みの土、兵庫の篠山の神社の土、そして大阪港の植え込みの土の三種類。ベクミルのLB2045で測定したγ線スペクトルをさっそく見てみよう。明らかに、どれもセシウムのピークは見られない。こうはっきり言い切れるスペクトルは初めてのことだ!(もちろん、ゲルマで見たら核実験やチェルノブイリやらの微量なセシウム137のピークはあるかもしれないが、それは全世界にバラまかれたものであって、福島原発とは関係ないはずだ。)

「系列4」とあるのが京都。
セシウム137のピークは横軸の27番チャネル、
セシウム134のピークは21と44番に対応しているが、
「セシウム3兄弟』の姿は影も形もない。
どれも「セシウム三兄弟」の構造(3つのガンマ線のピーク)が無いことは一目瞭然。とりわけ篠山のスペクトルが平らだ。(ここは兵庫といえども、自然放射線量も低い場所。)よって、これからは篠山のスペクトルから見た相対スペクトル(つまりバックグランドを篠山と見なしたスペクトル)を採用することにする。

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