2011年12月25日日曜日

Laboratoire National Henri Becquerel

パリの郊外にあるSaclayに、「アンリ ベクレル研究所」(LNHB)というのがある。ここの核データシートは見やすいので、リンクを貼っておく。たとえば、世田谷騒動のラジウム226がどうしてガイガーカウンターに反応するのか、このデータをみるとよくわかる。

実は、家の物置から、蛍光塗料にラジウム226を使った古い時計が出て来た...英国製で戦前に作られたものだと思う。この時計をしまっておいた木箱が変色しているのは、放射線焼けだと思う... JB4020で測ってみると、かなり高い!しかし、よく考えると、α emitterのRa-226がどうして、β、γにしか感応しないガイガーカウンターに引っかかるのだろうか?

α崩壊はクーロン障壁を抜けるトンネル効果だし、電磁現象ということでγが付随するのかな?程度に思っていたが、LNHBのデータシートを見れば答えは一発。それは、6%弱の確率でRn-222の2+状態に崩壊した状態が、半減期0.32nsで基底状態に電磁崩壊するからだ。励起エネルギーは約190keVだから、γ線一個の線量はCs-137が出すγ線の約1/3。しかし、ラジウム226自体のα崩壊の半減期は約4日なので、半減期30年のセシウム137に比べれば、「弱めのγ線が次々に放射されてくる」感じ。ヨウ素131の8日の半分だから、その放射能はかなり高い。

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