2011年12月25日日曜日

火星探査ロボットはプルトニウムで動く

先月NASAが火星に向けて送り出した火星探査ロボットのCuriostiy.久しぶりにNASAのpodcastを見ていたら「顎が落ちる」ほど驚いた。動力源にプルトニウム238を使っているというのだ!よくそんなものをロケットに載せて打ち上げたもんだ。

ところが、この原子力電池(RTG)は既にアポロ計画でも使われていたそうだし、外惑星探査船(ボイジャーなど)もRTGで動いているとか(だから、まだ動いていたのか...たしかに、よく考えれば50年近く動き続けるなんてRTGしかありえない。)。

RTGの仕組みは、崩壊熱を使った熱電対。半減期が長い核物質ほど長持ちする。熱電対自体の実験は、大学の教養実験でやった記憶がある。(もちろん、温度差をつくるのにプルトニウムの崩壊熱は使ってない;)氷と沸騰水の間に、異なる金属を張り合わせて作った熱電対を置いて、電流を測定した。

プルトニウム238は半減期が約90年。原子炉で生成される。福島でも飛散しているのが確認されている。廃棄物のうまい利用法を思いついたもんだ!(打ち上げ時の恐怖が無い、ということは、アメリカ人は結構プルトニウムを環境中にぶちまく経験が豊富だとみた。長崎に比べれば、無視できる程度とかいっているのだろうか?)

でも、確かに宇宙ではRTGは素晴らしい動力源かもしれない。もととも宇宙空間は放射線レベルが高い訳だから、そこにプルトニウムを置いても問題ないだろう。現在火星で活躍中の二基の初期モデル火星探査ロボRover(Spriti and Opportunity)では太陽電池を使っていたが、火星の砂嵐にパネルが汚れてしまい、深刻な電源不足と闘うはめとなった。数週間から数ヶ月もの間電力不足でまともな活動ができないこともあった。それを考えると、砂嵐中でもガシガシ作動するRTGベースのロボットは心強いはず。

原子力発電が未来を見いだすなら、それは宇宙においてだろう。ウランの鉱山だって、きっと月面や火星にはあるはずだ。わざわざ地球から打ち上げてまで運ぶこともあるまい。(探検初期には若干必要かもしれないが。)

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