2011年11月1日火曜日

関東の高放射線量地域

最近の報道をまとめてみたい。

まずは、柏、松戸地域の高放射線量地点が見つかったことについて。
(1)柏の市有地(市営住宅の跡地を広場として使用):(おそらく簡易測定によって)約60μSv/hの線量が記録され、その後の精密測定により、28万ベクレル/キロの汚染土壌が広場にあることが判明。核種同定ではセシウム134と137が確認され、その量もほぼ同数であることから、福島原発由来の放射能物質と結論された。雨水が流れ込んで、汚染物質が蓄積した結果と分析されている。(だとすると、これが関東地区の汚染のメインパターンとなるだろう。)付近の様子を写した写真を含む記事はここ。(10/22).

(2)松戸の農地(共産党による測定):約7μSv/hが共産党の簡易測定によって記録されたという。以前東京都の線量を測った共産党だが、その測定は粗い感じがした。値自体は誤差が大きいだろうが、放射能汚染の有無程度なら判別できる精度はあるだろう。よって、より精密に松戸周辺を測定するべきだと思う。(10/20).

次に、世田谷の高線量地点など東京の話題について。
(1)八幡山:今度は八幡山のスーパー敷地内外で、最高170μSv/hの線量が測定された。これは0.17mSv/hということだから、ここに10時間立っていれば、1.7mSvの被曝をすることになる。ただし、この場所は原発事故によるセシウム134,137の蓄積とは考えにくいと言われている。前回の弦巻のように、ラジウム226などの他の放射能物質の不法投棄/あるいは不法管理が原因か?どうも世田谷周辺には、そういう場所がそもそも結構あるのではないか?原発事故をけっかけに市民が測定し始めたため、「ばれだした」という可能性もある。そういう意味では、東京は昔から汚染されてしまっていたのかもしれない。
(2)東工大の「福島農産物フェア」と食品の新規制値づくり:
前にも議論したが、現在の暫定基準値目一杯に汚染された食品を食べ続けると、健康被害の危険性は高まる。一年以内(あるいはギリギリで二年以内)には暫定基準値をWHOの水準まで下げるべきだ、というのが私の考えだが、日本政府は半年以上たってようやく暫定基準値を見直す動きを始めた。(注意:動き始めただけで、まだ改訂してない!)改訂して年間内部被曝量を1ミリシーベルトにする、つまり暫定基準値を現在の1/5に減らすらしいが、1/10にする思案もあるそうだ。仮に後者だとしても、まだ高い基準値だと思う。

現在の暫定基準値が高いという認識は周知の事実かと思ったら、そうでもないようで驚いた。東工大の若者たちが福島の野菜ばかりを選んで学園祭の料理をつくろうといっているらしい。福島の野菜は測定限界以下(多くの場合20Bq/kg)の放射能物質を含んでいる可能性は否定できない。NDの食物は新陳代謝の遅くなったウン十歳以上の人たち(小出先生によれば50歳が目安だとか)や東電の人たちやその家族に食べてもらえばよく、若者たちがその責任を負う必要はまったくない。彼らは内部被曝を出来る限り避けるべきだ。

現在の高い暫定値の意味は、「国民よ、東電/政府の犠牲となって生きよ」という政府のメッセージであり、国民の命を東電関係者に献上することを要求していることに他ならない。つまり、暫定基準値というのは国民の健康を保証するものではなく、この程度だったらあなたの命頂いてもいいよね、と政府が決めた「命献上の許容範囲」と考えるべき。(献血の暫定基準値を1リットルにしたようなものだろう。死にはしないけど、健康にはかなり悪い。)大学では、学生たちにこういう風に教えるべきだと思う。ちなみに、この学生らに教えている東工大の先生はというと、柏の27万ベクレル/キロの放射能汚染が起きている場所について、「健康に害はない」とコメントしている。(京大原子炉で学園祭をやるとしたら、こういうフェアはまず開催できないだろう。)うーむ、こういう大学では、こういう催しはむしろ褒められるのかも。(卒業したら東電や原子炉関係の職場に行くのかな?彼らは工学系の学生だし。だとしたら残念。)




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