2011年9月2日金曜日

gimpで比較明合成を試みる

月刊星ナビの8月号に「比較明合成」についての記事があった。なんのことやら、チンプンカンプンだったのだが、コンポジットをやっている内にだんだん意味がわかってきた。

ノイズを消すときは、「平均値」をとってデジタルデータを合成する。例えていえば、黒いものと白いものを足して二で割れば、灰色になるということだ。白より灰色の方が、黒い背景にはより目立たなくなる、という原理だ。

一方、「加算」という合成モードもあった。これは、足し算するだけなので、明るいものに明るいものを重ねればより明るく、暗いものに暗いものを重ねればより暗くなる。しかし、暗いものに明るいものを重ねると、明るい物体は少し暗くなってしまう。ノイズの乗ったデータを単純に加算すると、ノイズがあちらこちらに散らばった写真になるだろう。しかし、ノイズが少ないデータならば、短時間露光した写真を重ねることで、長時間露光したかのような効果が得られるに違いない。(試してないので、断定はできないが...)

日食の展開を重ね合わせたり、惑星の運行を重ねるときは、単純加算にすると暗いところと明るい星が重なるので、重なりの始めに置かれた惑星がだんだん暗くなってしまう、という問題が起きる。そこで比較明合成が出番になる。

比較明合成とは、明るいものに合わせて合成していく方法だ。背景の明るさがだいたい同じくらいで、対象となる天体よりも暗ければ、何度合成しても天体が暗くなっていくようなことはない。恒星の日周運動や、惑星の逆行、日食や月食の連続写真などは、この方法でうまく合成できる。

今回、練習のために、今年の春から記録を付けて来た、土星の逆行写真をつかって、比較明合成をやってみた。その結果がこれ。
比較明合成による土星の運動
2011年4月から7月までのデータで練習。



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